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亡きパット・トーピー(Pat Torpey)に捧ぐ

MR.BIGのドラマー・パット・トーピーが亡くなったと人づてに聞いた

パーキンソン病を患わっていたことは存じていたが

2018年2月7日にパーキンソン病の合併症により
スポットライトを浴びるステージよりも遥か高く

手の届かないところへと旅立ってしまった

燦燦と輝くスターたちを支え続けた男は
自身、本当に本当のスターになってしまった

 

亡くなってしまう程、病気が悪かったとは
全く知らなかった

今でも、再結成ライブの時
満面の笑みで観客席に手を振り続けるパット・トーピーの姿が忘れられない

当時、ライブを見ていた自分には
目立ちまくる他のメンバーにはない
ハードロックには似つかわしくないのかもしれないが
安心感を感じた

その笑顔を一目見ただけで
彼は人格者なのだろうな、と思った

一度は空中分解したバンドを
また、一番後ろから支えてくれた

 

ありがとう。パット・トーピー

仕事に忙殺される日々が続こうとも
思い返すだろう

季節が廻り、老人になったとしても
思い返すだろう

あなたが支え続けたMR.BIG

それは、私の青春の名前

 

 

 

入門として

MR.BIGの曲を人に勧めるとしたら・・・
なんでしょうか?
色々ありすぐて、思いつく曲は全部お勧めしたいところですが

一応、今回は
MR.BIGを知らない人にお勧めするなら、どれにするか?という体で進行させていただきます。

まあ、MR.BIGを語るなら
「Daddy,Brother,Lover,Little Boy」とか超絶テクニック満載でMR.BIGらしいし

99%の人が聴いたことがあるであろう最大のヒット曲
「To Be With You」も良いし

日本人なら、まずこれを聴け!
「I Love You Japan」とかもCOOL!

ギタリストがリッチー・コッツェンに代わってからの代表曲
「SHINE」も捨てがたい

 

でも今回は
パット・トーピーの安定したドラムから始まる

「Take Cover」

この曲を紹介します

とても日本人受けがいい曲で
ドラム、ギター、ベース、ボーカルの”音”がハッキリしてて
万人にお勧めできる曲だと思います

言ってしまえば
ドラムの”音”だけ聴いててもいいし
ベースの”音”だけ聴いててもいいし
ギターの”音”だけ聴いてても、十分に聴きごたえがある曲です

ボーカルの”音”も混ぜ
それぞれ役割の違う”音”が繊細にまとまっています

そもそも
MR.BIGというバンドは
個の技術力が異常に高いバンドなんですよ

オタク気質の多い日本(誉め言葉です)で完全ウエルカム状態で受け入れられたのも納得の
どこか壮大(アメリカ的)でありながらも、こだわりのある繊細(日本的)さを持ち合わせるプロフェッショナル集団なんです


ね?レベル高いでしょ

ずっと見ていられるし
今回は割愛しときますが
ベーシストのビリー・シーンのベースソロなんて
見てるだけでご飯三杯はいけます

始めてビリー・シーンを見た時は
ベースの常識が崩れましたよ、まったく!

ベースってリズムを奏でる楽器
つまり、音色のある打楽器みたいな感じ(右手で実際、ビートを刻む訳ですし)と思っていただければ、ベースを詳しくない人でもわかりますかね

それがビリー・シーンは別次元でしたね
彼の代名詞「四弦達人」!
まさに達人です

ベースはメロディアスである必要が無いという意見もありそうですが
彼のベースのお陰で
曲の広がりというものが一気に出たんだと思います

リズム担当というより重低音担当ですね
ある意味ベースの存在意義を広げて下さいました

 

ギタリストのポール先生(日本の音楽学校の校長だから)は
よく日本のTVに出てくれてますよね(最近は見ないかな?)
たしか、キンキキッズの番組の「堂本兄弟」のレギュラーじゃなかったっけ?
あと「ヘビメタさん」とか「Rock FUJIYAMA」とか

だから、MR.BIGを知らなくても
もしかしたら、ポール先生はご存知という方もいらっしゃるのかも

大の親日家で
日本に住んでたこともあるし、日本人の奥さんがいて
日本製のギター(アイバニーズ)を使い、日本製のドリル(マキタ)で演奏したり
日本語の曲なんかも作曲してるし

だいぶ、初見様でも親しみ易いんじゃないでしょうか

 

すいません
だいぶ脱線しましたね

「Take Cover」の話に戻ります

ポール先生や四弦達人ビリーのテクニックがいかに凄いか説明しましたが
「Take Cover」は
ベースとギター二人が前面に出たテクニカルな曲という訳では無いんですよ

かといって、ボーカリストのエリック・マーティンがハイトーン・ボイスを使いまくって目立ちまくる曲でもない

高い技術力を有する4人それぞれが
高次元で互いに補い合ってるバランスのいい曲です

皆、技術があるのに「オレが!オレが!」みたいな主張もなく
皆、程良い!程良い!

ギターが引けば、ベースが出てくる
ベースが引けば、ギターが出てくる
ボーカルが出れば、二人は引く
そして、ドラムも出れる道を三人が用意する

 

もちろん演奏だけではなく
曲自体が良い曲です

歌詞は
何かに打ちひしがれている内容

「I Wanna Take Cover From You(君から隠れていたいよ)」や
「Save My Soul(僕の魂を救ってくれ)」
という歌詞が何度も繰り返し出てくる少し悲しい曲

曲後半のコーラスは
そんな歌詞と非常にマッチして
適度な盛り上がりを魅せてくれます

構成のおかげで
嘆く悲しい男の背中が
ありありと見えてくるようです


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